肥満に悩む人は睡眠時間が短い

2022年05月14日 18:42

肥満をきたす生活習慣の一つに睡眠不足があげられます。

睡眠不足により食欲抑制ホルモン(レプチン)が低下し、食欲増進ホルモン(グレリン)が増加する。

この現象が睡眠不足で肥満をきたすと考えられています。

コロンビア大学で睡眠時間と肥満度を調べた研究があります。

その研究で7時間睡眠の人の肥満度を1とすると、6時間睡眠で1.23、5時間睡眠で1.50、4時間睡眠で1.73と睡眠時間が減るにつれて肥満度の上昇が明らかにされました。

私の肥満外来に通院される患者さんを調査した結果でも、80%以上の人が6時間未満の短い睡眠でした。

私たち日本人アジア人は、欧米人と比べてインスリン分泌が少ないため、太りにくい(太る前に糖尿病になってやせてしまう!)人種です。

にもかかわらず、厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、20歳以上の男性33.0%、女性22.3%もの人たちが肥満と報告されています。

やはり私たちの睡眠時間は少ないのでしょうか。

睡眠時間の調査が、スリープテック(ITなどの技術を活用した睡眠状態の計測、記録、分析)を用いて行われました。

それによると世界20カ国中18カ国の人々の睡眠は、7時間から7時間30分でした。

残りの2カ国のひとつは日本で、6時間22分と世界一のショートスリーパーの国でした。

またOECD(経済協力開発機構)による調査でも、欧米先進諸国と比べ日本人は1時間程睡眠が短いという結果が報告されています。

世界一ショートスリーパーの国の中で、さらに短い時間しか睡眠がとれていないのです。

やはり睡眠不足が、太りにくい体質の私たち日本人アジア人を肥満にする原因のひとつと考えて良さそうです。

体重増加に悩む皆さん、レプチンを増やしグレリンを低下させて減量しましょう!

そのために最低7時間の睡眠を確保したいものです。

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