これからパパになるメタボの男性とそのパートナーへ

2023年04月02日 10:00

「蛙の子は蛙」

「親が親なら子も子」「親も親なり子も子なり」「親に似ぬ子なし」「親が鈍すりゃ子も鈍する」・・・:親と子供は、良いことも悪いことも、よく似るということ。

古(いにしえ)よりこれらに類することわざがたくさん伝えられています。

今日では遺伝子DNAの仕業であることは数多(あまた)の人々が知ることとなっています。

では本ブログのテーマとして最も頻回に取り上げている「肥満」についてはどうでしょうか?

残念ながら肥満も遺伝すると言わざるを得ません。

「父親が肥満の子供は肥満しやすい」1997年にLake JK らが研究報告しました( Arch Dis Child 77 376)。

原因は父親の精子中の肥満に関わる「食欲を増す」と「脂肪をためる」DNAのスイッチがオンになっていることです。

ではこれからパパになるメタボの男性はあきらめるしかないのでしょうか?

いや、決してあきらめる必要はないのです。

「精子トレーニング」

肥満男性が運動によって減量した後に体重・食欲調節にかかわる精子中の一部の遺伝子が劇的に改善することが、Multhaup MLらによって発見されました(Cell Metab 21:138 2015)。

運動が骨格筋や脂肪組織のDNA状態を大きく変化させたのです。

さらにハーバード大学の研究者は、父親マウスの運動習慣が子マウスの糖尿病・肥満症を予防することを発見しました(Stanford KI et al. Diabetes 67: 2530, 2018)。

 高脂肪・高カロリーの餌を与えて太った父親マウスは運動させなければそのまま子マウスに遺伝しますが、運動させれば子マウスの耐糖能(血糖値が上昇しにくい)が向上し、体脂肪量も減少することが明らかになったのです。

このような知見を踏まえてデンマークのコペンハーゲン大学では「精子トレーニング」なるプログラムが敢行されました。

子作り前に毎日1時間の有酸素運動を6週間続けてメタボを改善し、精子中の肥満に関わるDNAを健康な状態に切り替えて、子どもに遺伝させようというものです。

従来の科学の常識では、このようなことはありえないとされていました。

なぜなら、親のDNAスイッチの状態は一代限りのもので、次世代には引き継がれないと考えられてきたからです。

しかし最先端の科学では、親の「経験によって獲得した性質や体質」の一部が、次世代に遺伝する可能性が明らかに!

とても嬉しい情報ですね。

これからパパになるメタボの男性諸君、ぜひ努力しましょう!

もちろん女性も、中高年男性も!

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